ENOWA YUFUIN
“心の故郷”と呼べる環境づくり
温泉が湧く、敷地面積2.5ha、標高543m~585m、東に由布岳、南に湯布の街を一望できる風光明媚な立地に位置する。「ボタニカルリトリート」をコンセプトとしたオーベルジュ(ホテル)を計画し、ゲストが自然そのものの贅沢さを味わう体験づくりを目指す。
ランドスケープデザインでは、既存の自然がゲストの心を潤いで満たす贈物になると考えた。敷地に埋まっていた石は、土地のアイデンティティとして大切に再利用した。周辺環境の杉木立も、既存の桜やツバキも同じである。この地が重ねた時間の蓄積を生かし、これから新たに木を育て、森をつくり、山へ還していくことを考えた。食事では、農園と連動した温室、ハーブガーデンで育てた野菜を使い、食を体感する対話を創出している。また、敷地全体を回遊できるランドケープを設え、美しい山の風景や街への見晴らしを楽しみながら、季節ごとの移ろい、鳥の声や木々の囁きが感じられる小さな森を形成している。自然の潤いに満ちた恒久的な魅力を維持することで、翌年もゲストが訪れたくなるような “心の故郷”と呼べる環境づくりを目指す。自然の循環を活かし、人もその輪の一部と気づき、ゲストの心身を癒す環境へと育んでいくことが私たちの目標である。
- 名称
- ENOWA YUFUIN ランドスケープデザイン
- 所在地
- 大分県由布市
- 竣工
- 2023年 4月
- 規模
- 敷地面積 2.5ha
- 施主
- 株式会社エイコス
- 建築
- 株式会社クル
- 設計
- フェードイン