Kaizuka Ibuki Village

既存風景をいかす

12haの規模を有する大阪府立農業公園における指定管理者事業である。これまで地元農家による農事組合法人が運営してきたが、農業の担い手不足等により運営困難な状況となったため、新たな施設へとリニューアルすることとなった。新たな事業のコンセプトは、農業×福祉×宿泊×食によるSDGsリゾートである。自然環境の資産と農業への関わりを通して、サービス側では就労支援や障がい者等の雇用を促進し、ユーザーには美味しい食事が味わえる新しい宿泊体験を提供するプロジェクトである。これにより、多様性を認め、誰もが集い働ける環境を創り、持続可能な社会の実現に貢献できることを目指している。フェードインが担当したのは全体ランドスケープ計画と建築デザインである。広い敷地での施設整備のため、既存施設をできる限り生かすリユースを軸にした設計となっている。池に隣接した既存管理棟は、壁を大きな掃き出し窓に変更し、明るく池に開けたカフェにリニューアルした。既存の散策路は、低ポール照明によりライティングすることで夜でも安心して歩ける小径となった。グランピングゾーンは、雑草により荒廃した貸農園地を、自然の魅力あふれる野草地の宿泊スペースに改変している。ひな壇状の敷地を生かし、区画ごとに車路と空地を備えたゆとりを実現している。また、地元で伐採された樹木を焚き火のベンチに、竹チップはウッドチップ舗装に再利用している。

名称
大阪府立農業公園(かいづか いぶきヴィレッジ)
所在地
大阪府貝塚市
竣工
2022年3月
規模
敷地面積 12ha
施主
SDGs LABO
設計
フェードイン